Somnia

 


目を開けると、見覚えのない部屋の中にいた。

床で倒れたのか、眠ってしまっていたらしい。


近くでドアの開く音が聞こえ、しばらくすると誰かが入ってきた。

男は私を見つけ、軽々と持ち上げるとベッドの上に下ろす。

「ここで休んだらいい」


……え?


逃げ出そうとした私を男は難なく捕まえると、元の位置に戻して寝かせた。

そして、自分も隣に横になると言った。


「可愛いなぁ」

私を見つめ、触れる手が優しい。


男の瞳を見つめ返す。

その黒い瞳には、白い……猫が映っていた。


……これって私の姿?!



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